about CALLIGRAPHY 西洋書道・カリグラフィーについて

手刺繍のハンカチ、捨てられなかった美しい包装紙、外国のお菓子の箱、そして何度も読み返した絵本。
私がカリグラフィーの世界に入る前から、周囲は美しいアルファベットに溢れていました。
大好きなものの共通点が「美しいアルファベット」だと気付いたあの日から、私の興味と喜びは枯れることがありません。

このページでは、本を手書きしていた時代から続く伝統的なカリグラフィーの魅力を、少しずつお届けします。

西村弥生_カリグラフィー

アルファベットの書道

ギリシャ語のカロス(Kallos・美)とグラフェン(Graphein・書く)に由来するカリグラフィー。
「美しく書くこと」
それがカリグラフィーという言葉の意味そのものであり、意義でもあります。

全ての「書道」を意味するその言葉には、私たち日本人が子供のころから親しんだ毛筆の東洋書道も含まれます。
しかし日本で「カリグラフィー」 といえば 「西洋のアルファベットの書道」 の事と認識されています。

美しい手書き文字の世界

最も生活に密接したアートのひとつである「文字」。
そこには、付け焼刃では習得できない奥深い世界があります。
数千年の発展を遂げてきたカリグラフィー・アートは「文字を書く」だけでは終わらない世界です。
磨き上げられたペンワークに加え、飾り文字や細密画などの高いデザイン性を求められ、金彩や色の知識・技術をも必要とする、総合芸術といえます。

文字は、絵画や写真ほど芸術として注目を集める事はないかもしれません。
コンピューターの普及した このスピードと効率の時代に、逆行しているのかもしれません。
しかし、手書きの文字は微妙なタッチで言葉に込められたメッセージを伝えます。
こころを込めて作られた作品からは、書家の思いが匂い立つように感じられるものなのです。

そうして今、一時存在意義を見失われかけた手書き文字は、改めて注目を集めています。
日々を豊かにする文化的教養として、身近に置いて喜びを与えるアートとして、そしてインパクトのある商業デザインとして。

生み出す喜び、得られる幸せ

カリグラフィー作品は、すべて自分の手と知識だけで生み出されます。

気軽にスタート出来て、そして本格的に取り組みたいと思った時には、果てしなく広がる奥深い世界が待っている。
それが、カリグラフィーの世界です。

身近な金属ペンや手に入りやすい紙でスタートし、より本格的な素材や技術を求める日もやって来るかもしれません。
自作の羽根ペンや本物の羊皮紙、顔料から作る絵の具などが身近なものになったりして。

ちょっとドキドキしませんか?

それらの特別な道具を使用して生み出すラインは、唯一無二のもの。
この上ない美しさで書き手自身をもときめかせます。

それに、美しさを求める中で得られるものは、文字に関する知識と技術だけではありません。
文字をきっかけに広がる好奇心が私達の日々を輝かせてくれます。

カリグラフィー工房「ヤヨ・カリグラフィー」、そしてカリグラフィー教室「モジ・アカデミア」では、先人達の残したその知恵と技術と情熱を伝えたいと考えています。

歴史と伝統に裏打ちされたエレガンスと、奇をてらわず「美」を求める気持ちを感じ取って頂けたら嬉しいです。

カリグラフィーコラム

カリグラフィーに関するコラムをまとめます。
徐々に増えていくので気長に待っててくださいね!


西村 弥生 Yayoi NISHIMURA

カリグラファー(西洋書家)/イルミネーター(写本装飾家)/紋章デザイナー